高昇が「DSJ2026」でAI搭載デジタルサイネージを披露
広告制作をワンタッチで

スマートな暮らし、無限の可能性――。2026年6月10日から12日まで、幕張メッセで「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2026」が開催され、デジタルサイネージ関連企業が一堂に会し、最新技術や多彩な活用事例を披露した。会場では、業界の未来を映し出す多彩な展示が来場者の注目を集めた。

会場には業界大手から技術系スタートアップまでが集結し、各社が最新技術やソリューションを競い合っていた。大型ディスプレイが織りなす華やかな映像演出が会場を彩る中、記者の目を引いたのが、ひときわ近未来的な雰囲気を漂わせるブースだった。

十数台の曲面液晶ディスプレイが一体となって緑色の「テクノロジーツリー」を形づくり、まるで未来へ向かって伸びていくかのような存在感を放っている。

曲面液晶ディスプレイは高い製造精度が求められるうえ、樹木を思わせる立体的な造形を実現するには高度な施工技術も必要となる。その両方を融合させたこの展示を手掛けたのが、日本の屋外広告業界の大手である高昇(TAKASYOU)グループの出展チームであった。

間近で見ると、スクリーンには、中国を代表する老舗ブランドの広告が映し出されていた。その背後で稼働しているのは、膨大なデータベースを基盤とするAIコンテンツ生成システムである。このAI搭載デジタルサイネージは、高昇グループが4年の歳月をかけ、研究開発と改良、実証テストを重ねて完成させたものだ。

高昇のデジタルサイネージの強みは、ターゲット層に応じた販促に活用できるプロ仕様のテンプレート、無償で利用できる豊富な画像素材、そしてワンクリックで広告コンテンツを生成するAI機能にある。

AI搭載デジタルサイネージを1台導入すれば、AIデザインシステムと素材ライブラリを追加費用なしで利用できる。デザイン経験や専門知識がなくても、スマートフォンの専用アプリを使って、誰でも手軽にメニュー表や広告コンテンツを制作できるのが特徴だ。

 

これまでは、飲食店が新メニューを発表したり、メニュー内容を変更したりするたびに、カメラマンやデザイナーへ制作を依頼する必要があった。そのため、制作コストがかさむだけでなく、更新のたびに不要となった紙のメニュー表やチラシが廃棄されるという課題も抱えていた。

一方、高昇のAIコンテンツ生成システムを活用すれば、既存のメニューや広告をワンクリックで刷新することができる。事業者自らが情報発信の主導権を握り、変化の激しい市場環境の中で新たな価値を創出し、市場の変化に迅速に対応できる。

また、集客力の向上が求められる外食チェーンなどでは、1台のスマートフォンを通じて全店舗の広告配信や販促イベントを一元管理できる。さらに、予約を受け付ける機能も備えており、業務効率の向上や人件費の削減にも貢献する。

日本では、老舗であること自体が店の魅力となる。数代、なかには十数代にわたって受け継がれてきた飲食店も少なくない。そうした老舗の経営者の中には、長年使い続けてきた看板や広告に強い愛着を抱く人も多く、看板や広告を一新することで、常連客が抱く店の印象まで損なわれるのではないかと懸念している。

高昇では現在、古く色あせたり、不鮮明になった写真をワンクリックで鮮明によみがえらせる画像補正機能の開発も進めている。さらに、従来であれば高額な費用を要した空撮風の映像や水中を表現した演出なども、スマートディスプレイに搭載されたAIコンテンツ生成システムによって手軽に映像化できる。このほか、天候に応じた情報表示機能も備えるなど、高昇はデジタルサイネージの付加価値向上に取り組み続けている。

デジタルサイネージの活用は、飲食業界だけにとどまらない。高昇のAIコンテンツ生成システムは膨大なデータベースと連携しており、多様な業種の販促ニーズに対応している。

楽天市場やTikTokでの販促に対応したテンプレートには、事業者が入力した情報を自動で分析し、より効果的な販促プランを提案する機能が備わっている。また、小型家電やアパレル向けなど、業種・商品別のテンプレートも豊富に用意されており、幅広い商品カテゴリーで活用できる。

さらに、店舗やブランドが打ち出したいイメージに合わせて、統一感のある広告デザインを作成できるのも特徴である。スマートフォンの専用アプリからワンタッチで操作でき、変更内容も即座に反映されるため、事業者の負担は大幅に軽減される。

高昇グループの郭升会長は本誌の取材に対し、「現在、開発チームは新たな技術課題に取り組んでいます。将来的には、画像内の人物や物体の位置関係や関係性をAIが自動で認識し、それに基づいて最適な構成で動画を編集できるようになるでしょう」と語った。

十数年前、高昇グループはすでに「屋外広告看板の4枚に1枚は高昇製」と言われるほどの高い市場シェアを誇っていた。しかし、新たな技術革新の波が押し寄せる中でも、同社は現状に安住することなく挑戦を続けてきた。

液晶ディスプレイ事業へいち早く参入したほか、2025年大阪・関西万博ではマレーシア館のビジュアルソリューションを手掛けた。さらに、中国企業の海外展開を支援するEC支援事業の構築など、新たな分野への進出にも積極的に取り組んでいる。

そして、4年の歳月をかけて開発・改良を重ねたAIコンテンツ生成システムによって、AIはもはや一部の専門家だけの技術ではなく、幅広い事業者が活用できる経営ツールへと進化しつつある。

屋外広告からデジタルサイネージ、さらにはAIを活用したコンテンツ制作へ――。高昇グループは時代の変化を的確に捉えながら、新たな分野への挑戦を続けてきた。その積み重ねが、同社の新たな競争力を生み出している。