日本における暗号資産の制度について 第3回

日本における暗号資産の制度について、一般法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、重要な役割を果たしております。認定協会は、暗号資産交換業、電子決済手段等取引業及び資金移動業並びに暗号資産等関連デリバティブ取引業の自主規制団体であり、資金決済法に基づく「認定資金決済事業者協会」と金融商品取引法に基づく「認定金融商品取引業協会」を兼ねております。

今回は認定協会の暗号資産交換業に関する規則·ガイドラインを紹介し、主に認定協会の暗号資産の取扱いに関する規則・ガイドラインを説明します。

暗号資産交換業に関する

規則の構成

認定協会は、暗号資産交換業に関する規則·ガイドラインとして、暗号資産の取扱いに関する規則・ガイドラインを含む以下の26つの規則・ガイドラインを規定しております。

業務取扱関係

  • 暗号資産の取扱いに関する規則・ガイドライン
  • 新規暗号資産の販売に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産信用取引に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る利用者の管理及び説明に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る受注管理体制の整備に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る不公正取引等の防止に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る暗号資産関係情報の管理体制の整備に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る財務管理に関する規則・ガイドライン
  • 財務健全性指数の算定に関する細則
  • 適格機関投資家向け暗号資産の販売に関する規則・ガイドライン

利用者財産管理・

システム安全管理等

  • 暗号資産交換業に係る利用者財産の管理等に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係るシステムリスク管理に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る緊急時対応に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る情報の安全管理に関する規則・ガイドライン

勧誘・広告

  • 暗号資産交換業に係る勧誘及び広告等に関する規則・ガイドライン

AML/CFT・反社会的勢力対応

  • 暗号資産交換業に係るマネー・ロ-ンダリング及びテロ資金供与対策に関する規則・ガイドライン
  • 暗号資産交換業に係る反社会的勢力との関係遮断に関する規則
  • 暗号資産交換業に係る外為法令に関する規則・ガイドライン

損失補填等の禁止・事故確認申請

  • 暗号資産交換業に係る損失補填等の禁止に関する規則
  • 暗号資産交換業に係る事故の確認申請、調査及び確認等に関する規則

苦情・紛争解決

  • 暗号資産交換業に係る苦情処理及び紛争解決に関する規則
  • 暗号資産交換業に係る苦情処理及び紛争解決に関する規則に関する細則

従業員服務

  • 暗号資産交換業に係る従業員等の服務に関する規則・ガイドライン

その他

  • 移転制限が付された暗号資産の情報提供及び公表に関する規則・ガイドライン
  • (別紙様式1)移転制限が付された暗号資産の情報提供及び公表に関する規則_別紙様式1_届出書
  • (別紙様式2)移転制限が付された暗号資産の情報提供及び公表に関する規則_別紙様式2_依頼書

 

取扱審査の体制

認定協会は暗号資産の取扱いに関する規則・ガイドラインを通じて、 会員が暗号資産関連取引の対象として取り扱う暗号資産(以下「取扱暗号資産」という。)の決定及び廃止その他暗号資産の取扱い業務に関し、必要な事項を定めております。

○(取扱審査)

1 会員は、取扱暗号資産の審査に関する社内規則を定めなければならない。

2 会員は、社内規則の策定にあたっては、次の各号に掲げる事項(以下「必要審査項目」という。)を審査項目に含めなければならない。

(1) 取扱暗号資産に関する事項

イ 発行状況に関する事項

ロ 取引状況に関する事項

ハ 利用状況に関する事項

ニ 暗号資産の関係者に関する事項

ホ 暗号資産及び記録台帳の技術に関する事項

ヘ 対象プロジェクトに関する事項

(2) 会員の社内体制に関する事項

イ 暗号資産の安全管理体制に関する事項

ロ 暗号資産の技術対応能力に関する事項

ハ 自社の取引処理能力に関する事項

ニ 財務耐久性に関する事項

ホ 需要見込みに関する事項

ヘ 利用者との利益相反に関する事項

ト 取扱い開始時の価格決定方法及び取引条件に関する事項

チ 利用者への情報提供及び説明に関する事項

3 会員は、取扱暗号資産を取り扱った場合に直面し得るリスク(以下「取扱リスク」という。)を包括的かつ具体的に検証の上、暗号資産に係る取扱リスクを特定しなければならない。

4 会員は、特定した取扱リスクを、 必要審査項目に基づいて適切に評価の上、当該暗号資産の取扱いの適否を審査しなければならない。また、 会員は、 関係規則の施行時点で取扱いを開始している暗号資産についても、取扱いの適否を審査するよう努めなければならない。当該審査の結果、取扱いが不適切と判断される場合には、利用者の利益保護に十分配慮しつつ、関係規則の規定に従い、取扱いを廃止しなければならない。

○(社内体制)

1 会員は、取扱暗号資産を審査するに際して、次の各号に定める体制を整備しなければならない。

(1) 関係規則に基づき取扱リスクを包括的かつ具体的に検証し、特定できる専門的知見を有する人材の確保

(2) 関係規則に基づき審査を行う部門(以下「取扱審査部門」という。)並びにその責任者及び担当役員の設置

(3) 取扱暗号資産の審査結果が取締役会その他これに準ずる意思決定機関に報告され、当該意思決定機関の下で最終的な取扱いの可否が決定される手続の確保

(4) 取扱暗号資産の審査過程及び審査結果に係る資料の保存

2 会員は、取扱審査部門並びにその責任者及び担当役員を、営業部門から独立させるものとし、取扱暗号資産の審査を行うに際しては、取扱審査部門と営業部門が相互に牽制が図られる体制(役職の兼務の禁止を含むがこれに限られない。)を構築しなければならない。

 

公表制度

1 認定協会は、会員が新たな暗号資産を取り扱う場合には、取扱開始日に、次の各号に掲げる事項を公表する。

(1)当該会員が新たに取り扱う暗号資産の名称

(2)会員が作成した当該取扱暗号資産に係る概要説明書の記載事項に基づき協会が作成した会員が取り扱う暗号資産ごとの説明書(付帯条件及び付言の設定の有無並びにこれらが設定されかつこれらの公表を決定している場合にはその内容を含む。)

(3)取扱開始日

2 認定協会は、 会員が更新した概要説明書の記載事項を受領した場合には、速やかに前項第 2 号の説明書の更新の必要性を判断のうえ、必要と認めた場合には当該説明書を更新のうえ公表する。

3 認定協会は、関係規則に基づき付帯条件若しくは付言を設定した場合、関係規則に基づき付帯条件若しくは付言を取り消した場合又は付帯条件を付言として設定した場合、速やかに関係説明書を更新のうえ公表する。

4 認定協会は、会員から関係規則に基づく取扱暗号資産の取扱いの一時中止の報告を受けた場合には、中止公表日と同日付けで、次の各号に掲げる事項を公表する。

(1)当該会員が取扱いを中止する暗号資産の名称

(2)取扱中止日時

5 認定協会は、会員から関係規則に基づく取扱暗号資産の取扱いの一時中止に係る再開の届出がなされた場合であって、当該届出に対して認定協会が異議を行わない場合には、取引再開の公表日と同日付けで、次の各号に掲げる事項を公表する。

(1)当該会員が取扱いを再開する暗号資産の名称

(2)取引再開日時

6 認定協会は、会員から関係規則に基づく取扱暗号資産の取扱いの廃止の報告を受けた場合には、廃業公告日と同日付けで、次の各号に掲げる事項を公表する。

(1)当該会員が取扱いを廃止する暗号資産の名称

(2)取扱廃止日時          (次回へ続く)