六堡茶の選び方についてよく尋ねられるが、まず、産地から見ていくのがよいだろう。昔、薬局の入り口には必ず「本場の薬草」と書かれた看板やのぼりが掲げられ、この「本」の字が品質の証とされた。茶と薬は同源であり、その選び方も完全に一致している。しかし、長い歴史を持つ中国の銘茶・六堡茶にも「歴史問題」が存在することを認めざるを得ない。六堡茶も、龍井茶、黄山毛峰茶、プーアル茶と同様に、産地に関する複雑な問題を抱えている。詳しく見ていこう。
梧州市が六堡茶の国家地理標志製品保護モデル地区に指定される
文献によれば、六堡茶の原産地は現在の広西チワン族自治区梧州市蒼梧県六堡鎮とされる。梧州は広東省に近く、食習慣も広東料理の影響を強く受けている。そのため梧州には、広州と同様に今も飲茶(ヤムチャ)を楽しむ習慣がある。六堡茶は香りが高く、甘みがあり、何度淹れても風味が落ちないため、梧州の茶館では大変人気がある。梧州と広州は水路で結ばれており、1990年代までは両都市を結ぶ主要な交通手段は渡し船で、夜出発すれば翌朝には着いた。六堡茶はまず水路を下って広州市場に入り、さらに南洋に向かう潮流に乗ってマレーシアやシンガポールなどで人気を博し、華僑向け輸出茶として名を馳せた。広東・広西および南洋地域で六堡茶の人気が高まると、注文が殺到し、六堡鎮だけでは到底供給が追いつかなくなった。そして生産地域は、蒼梧県全域へ、梧州市全域へと広がっていった。
新中国成立後、六堡茶は外貨獲得のための輸出品となり、その戦略的地位は一層高まった。1957年に広西省購買販売協同組合が編纂した『茶葉採集加工方法』によると、茶葉1トンは鋼材10~12トン、或いはガソリン20トンと交換でき、9000㎏で新型トラクター1台と交換できた。1950~1956年のわずか7年間の全国の輸出茶の総額は、鋼材であれば186万トン、トラクターであれば3万4484台、ジェット機であれば4965機、2万5000キロワットの発電所であれば52基に換算できたという。今聞いても胸の高鳴るような数字である。こうした輸出需要に応えるためにも、六堡茶の生産地の拡大は避けられなかったのである。
筆者が所蔵する1981年に浙江供銷学校が編纂した『茶葉の加工と検証』には、「六堡茶の原産地は広西蒼梧県六堡郷であるが、現在では岑渓、玉林、横県、賀県、昭平、臨桂、興安および広東の羅定にまで拡大している」と記載されている。1980年代までに、広西のほとんどの茶区で六堡茶は生産されるようになった。
六堡鎮の風景
六堡茶は産地によって大きく三つに分類される。一つ目は、横県、賀州、玉林、百色などで生産される「広西六堡」である。「広西六堡」は生産量は多いが、原料が複雑であるため、並品が多く優良品は少ない。最近のライブストリーミングで見かける六堡茶の多くは、この「広西六堡」で、手頃な価格が特徴である。
二つ目は、蒼梧県、藤県、蒙山県、万秀区、長洲区、龍圩区、岑渓市で生産される「梧州六堡」である。六堡茶の原産地である梧州の六堡茶は品質が高く、収集、愛飲するファンが多い。では、本物の「梧州六堡茶」はどうすれば選別できるのか。信頼できる販売業者から購入するなら心配は無用だが、初めての業者から購入する場合には、「六堡茶地理的表示」と「梧州六堡茶地理的表示」の二つの認証マークを確認するとよい。2011年、六堡茶は旧国家質量監督検査検疫総局により、国家地理的表示製品(所有権:梧州市人民政府)に認定された。2020年には「梧州六堡茶」が国家知的財産権局により、地理的表示証明商標に登録され(登録者:梧州市茶産業発展服務中心)、中欧地理的表示保護協定の第二次保護製品リストにも登録された。筆者は梧州を訪れ、現在、梧州の主管部門がこれら二つの標章管理を厳格に管理しており、梧州は国家地理的表示製品保護モデル区に指定されていることを知った。企業がこれらの標章を使用するには、製品ごとに証明書類を提出し、個別の審査を経なければならない。現在、梧州市内に本社を置く大手茶葉メーカーでも、製品によっては標章を貼れるものと貼れないものがある。理由は言わずとも明白であろう。つまり、正真正銘の梧州六堡茶を購入したければ、地理的表示を確認するのが最も確実なのである。
三つ目は、六堡鎮の六堡茶である。地元の人の説明によれば、昔はこの地域の地名は「一堡」から「九堡」まであり、一堡は「頭堡」、九堡は「上堡」と呼ばれていた。時が流れ、現在は「六堡」だけが残り、他の地名は古地図でしか確認できない。「六堡茶」の名はこの地名から取ったとされているが、実際には、良質な茶が生まれたことでこの古鎮が名を上げ、茶名とともに地名が残ったことも考えられる。
六堡茶の原種を訪ねる筆者
熟成六堡茶を取材する筆者
六堡茶発祥の地である六堡鎮の原種の茶樹から作られる六堡茶は、六堡茶の中でも最高級品とされる。百年以上前、六堡茶が広東・広西、南洋地域で人気を博していた頃、拠り所としていたのがこの品種であった。六堡茶産業の発展に伴い、原料となる茶樹の品種は多様化し、蒼梧群体種、広西大、中葉種、さらにそれらから選抜育種されたさまざまな品種が存在する。しかし「水に源あり、木に根あり」と言うように、後輩は先人の恩を忘れるべきではない。地元の群体種こそが六堡茶の起源であり、業界はこれを「六堡茶の原種」としている。六堡鎮の六堡茶の原種について語るべきことは多いが、別の機会に譲ることとする。ここでは、「広西六堡」と「梧州六堡」の違いを理解していただければ十分だ。もし六堡茶を味わってみたいなら、まずは梧州六堡から始めてみるとよい。見分け方がわからない場合は、「六堡茶地理的表示」と「梧州六堡茶」の証明商標を確認すれば間違いない。
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