梧州六堡茶VS祁門安茶
「六六茶会」―中国黒茶産業界の新たな試み

2025年9月13日、「2025河南六堡茶文化祭・梧州六堡茶中原進出」イベントにおいて、六堡茶と祁門安茶の合同茶会が開催され注目を集めた。「伝説の安茶を世界へ 」をテーマに掲げた当茶会は、「祁門安茶2025年全国都市テイスティングイベント」の第6会場として開催された。熟成六堡茶と祁門安茶を取り揃えた当茶会は、現地の茶愛好家に味わい深い祁門安茶の魅力を伝える茶会となった。祁門安茶は販売地域で「老六安」と呼ばれているため、このユニークな茶会を業界は「六六茶会」とも呼んだ。当茶会は、歴史ある名茶の交流・対話のプラットフォームとなり、多くの茶文化愛好家や業界関係者が集結した。

祁門安茶と梧州六堡茶はいずれも中国の歴史ある名茶である。両者はともに黒茶に属し、「古いものほど香りが増し、芳醇になる」特性を備える。そして、日常の生活に根差し、健康にも有益である。また、販売ルートや消費者層も重なり、かつては「僑銷茶」として香港、マカオや東南アジアへも輸出された。

この度の「六六茶会」は、祁門安茶と広西・六堡茶を“共演”させたのである。主催者は、十年物の六堡茶、十年物の祁門安茶と福来金安・祥源安茶、1990年代の六堡茶、1990年代の安茶と、さまざまな年代の異なる5種類の茶を用意した。さらに、マレーシア六堡茶協会の郭俊邦会長、河南省茶業商会の郭運業会長、「多聊茶」の創始者で日本中国茶研究所所長の楊多傑氏、祁門安茶・祁門紅茶無形文化遺産伝承人で全国茶葉標準化技術委員会委員の徐乾氏を特別に招き、この4名の専門家が講師となり、来場者は和やかな雰囲気の中でテイスティングを体験し、地域、技巧、保存法によって異なる独特の香りと多彩な味わいを堪能した。

はじめに郭俊邦会長が登壇し、六堡茶のマレーシアにおける特別な地位について語った。続いて、祁門安茶の無形文化遺産伝承人である徐乾氏が、祁門安茶独自の加工技術を紹介した。その後、郭運業会長が自身と祁門安茶の銘茶「福来金安」との特別な縁を語った。

最後に日本中国茶研究所の楊多傑所長が登壇し総括を述べ、歴史ある六堡茶と祁門安茶について品評を行った。楊所長は、六堡茶も祁門安茶も熟成したものほど美味しいとされるが、やみくもに年代物にこだわる必要はなく、手頃なものを選び、保存しつつ自らのペースで愉しむべきであると指摘し、六堡茶や安茶が、日常的に口にできるようになることを期待した。

席上、祁門県人民政府の楊哲副県長は次のように挨拶した。「祁門安茶と六堡茶による『六六茶会』が中原の中心地である鄭州で開催されたことで、祁門と梧州の茶文化の対話・交流、現代茶産業における二つの歴史ある名茶の共鳴が実現しました。この度のイベントを契機に、祁門安茶と六堡茶の製茶技工の継承、市場の拡大、ブランドの共同構築が促進され、この南北の二大黒茶の海外及び北方への普及が進むことを願っています」。

鄭州市茶文化研究会の趙新中会長は、鄭州での祁門安茶のテイスティングイベントの開催を歓迎するとともに主催者の尽力に謝意を表し、次のように述べた。「芳醇な10年物の安茶や奥深い味わいの30年物の六堡茶は、鄭州の茶愛好家に深い印象を残しました。熟成茶は数量が次第に減少し入手が困難なため、大切にしていきたいと思います。今後、業界関係者の皆さまとの交流・協力を深化させ、優れた商品をより多くお届けしていきたいと考えています」。

祥源茶業の彭学権総経理が、安茶の歴史、復活までの道のり、コア・バリュー、未来図について語り、詳細なデータや具体的なエピソードを通して、「熟成期間が長いほど価値が高まる」安茶の特性を紹介した。

この度の「伝説の安茶を世界へ」―鄭州テイスティングイベント・「六六茶会」の開催は、中原市場における祁門安茶の知名度を高め、革新的なスタイルで催された茶会は、異なる中国黒茶の交流を促進し、伝統ある名茶の復活と茶文化の普及に大きく貢献した。なお、当イベントには、広西チワン族自治区党委機構編制委員会弁公室一級巡視員の施漢飛氏および広西茶葉協会の黄国浩副会長が招かれた。(筆者はIKKO株式会社茶事業部部長)