アジア家具の国際連携が加速
第10回アジア・ファニシング・フェア2025 が東京で開催

晴天に恵まれた11月19日、第10回アジア・ファニシング・フェア2025が東京ビッグサイトで盛大に開幕した。3日間にわたるこの展示会には、日本国内から53社・団体、海外からは82企業・団体が出展し、2万4000人以上の来場があった。

初日から会場には多くの来場者が訪れた。大地グループは新ブランド「ASLEEP with SY ERGO」の高機能なオフィスチェアを華々しく披露した。このチェアの3Dウェストピローは動きに合わせてしなやかにフィットし、腰をしっかりサポート。さらに、背もたれ角度の4段階固定、最大150度のリクライニングなどの機能を実現。長時間座り続けるビジネスパーソンの腰や背中の負担を効果的に軽減する。

堅固さと信頼性を備えたベッドが一列に並び、品質と職人技が生み出す快適性と優れた支持力を印象づけた。今年で創立40周年を迎える大連金凌床具は、ベッド・ソファの専門メーカーであり、従業員約500名、工場面積は5万平方メートル超。製品の主力は輸出用で、その85%以上が米国、日本、韓国、フランスをはじめ、東南アジアや欧州などへ向けられている。年間売上は100万ドル(約1億5700万円)を超え、用途に応じて選べるファブリックは1000種以上。年間出荷台数は20万台を上回る。

VOLT ENERGYの住宅用一体型蓄電システムは、日本列島が太平洋プレートの境界に位置し、地震が多発する地質特性に対応して開発された。シリーズ製品は用途が広く、蓄電容量は5.12kWhから20.48kWhまで幅広くラインアップされており、さまざまな場面での非常用電源として活用できる。全シリーズにリン酸鉄リチウム電池を採用し、低温環境など過酷な条件下においても高い安全性と安定性を維持する。太陽光発電システムとの連携も可能で、自家発電・蓄電・変換・利用までを一貫して行うことができる。

パナソニック ハウジングソリューションズの代表的製品「PALMLOOP」は、森林資源の過剰な採取を抑制し、持続可能な社会の実現に寄与する。

フランスベッドは「FRANCEBED」ブランドの海外展開モデルのベッドフレームとSLUMBERLANDブランドのマットレス、そして美的価値を追求する韓国の著名ソファメーカー・JAKOMOを出展。赤を基調としたバックボードにベージュの寝具が映え、上質で優美な印象を際立たせた。

三洋グループは、2002年に山東省寿光市で寿光三洋木製品有限公司を設立して以来、米国・ベトナム・ガーナ・タイにも順次工場や現地法人を開設し、現在では製品が世界五大陸で広く販売されている。同グループは現在、森田商事を窓口としてグローバルな優良資源との連携を図っている。

堀田木工所、ASAHI、サンゲツ、東レなど十数社が参加した「ペットサローネ」展示エリアでは、ペットとの暮らしを再現したライフスタイルモデルルームが公開され、ペット系インフルエンサーが次々と撮影に訪れている。特に、超小型犬や高齢犬向けに設計された給餌・遊具類は、飼い主の不安を軽減するとともに、ペットに一層快適な生活環境を提供するものであり、デザインの細部には人への温かい視点が息づいている。

ペットサローネの隣にはセミナーコーナーが設けられ、会期中には9名の専門家が登壇。居住空間における新たな理念の分析や、業界の新しいビジネスモデル、市場機会などをテーマに講演が行われた。NPO法人ANICE(アナイス)の平井潤子代表は「ペットの災害対策――プロだからこそできる飼い主への提案」と題して講演。東海大学教授で日本床施工技術研究協議会副会長の横井健氏は、ペットの嗜好を踏まえた建材の選定について解説した。元パナソニックハウジングソリューションズ常務取締役の足立真治氏は「中小家具メーカーの戦略的アプローチ ― 多角的視点から競争力を考える」と題し、業界の方向性を示唆した。いずれの講演もデータに基づく論理的な構成で説得力があり、多くの聴講者を惹きつけた。

会場では、並んで腰掛けていた老夫婦が、高齢者向けに設計された家具が暮らしをより便利にしてくれるだろうと静かに語り合っていた。ペットを飼う来場者はペットサローネエリアで目を輝かせ、愛らしく実用性の高いアイテムを前に、どれも自宅に持ち帰りたそうな様子だった。一方、こだわりの強いビジネスパーソンは、マットレスの硬さや弾力を一つひとつ確かめながら、横になっては起き上がり、また横になっては起き上がることを何度も繰り返していた。そうして手間を惜しまないのは、安らかな眠りこそが心身を癒やす最も効果的な手段であることを知っているからだ。

アジア・ファニシング・フェアは、阿部野育三氏が代表を務める一般社団法人「アジア家具フォーラム」が企画・運営する業界最大級の年次イベントであり、今年で10回目を迎えた。年々その影響力は高まり、本年はより広い南館に会場を移して開催された。過去の展示会で新たな取引先やビジネスチャンスを獲得した出展企業は、今年いずれも規模を拡大し、より大型ブースでの出展に踏み切っている。

名博(香港)投資有限公司は、17ブースを一体化した総合展示エリアを設け、シングルソファ、収納機能付きソファ、伸縮式ソファなどを一堂に展示。温かさと柔らかさに包まれた空間は来場者を惹きつけ、足を止める人が後を絶たなかった。

永華(環球)実業有限公司と魯麗グループは、それぞれ10ブースを確保し、企業としての存在感を示したほか、大連栄浩家具、大連洪森新家具、大連朗格家具、大連瑞鑫木業、丸星生活家具、大連松志家具、百佳家具製造、大連麦昆家具、大連三友家具による「大連家具輸出連盟」は、連携しての海外展開をアピールし、力強く市場開拓を進める姿勢を印象づけた。

記者が現地で取材したところ、多くの出展企業はアジア家具フォーラムとの長年の協力関係を持つ、いわば「古くからの友人」であることが分かった。大連金凌床具の創業者であり、元中国家具協会副理事長の王俊鵬氏は、30年以上前に阿部野育三代表と出会い、誠実さと互恵性、さらには約束を守り責任を果たすという事業信念が両者の深い友情を育んできたと語る。

「多様性」は、阿部野代表がアジア・ファニシング・フェアを創設した際に掲げた理念であり、今日に至るまで一貫して貫かれている指針である。人類の長い歴史の中で、地域や民族の異なる人々が、それぞれに豊かな生活の知恵と独自の審美観を築いてきた。気候変動や環境問題が各国・各地域の発展を脅かす現代において、経験を分かち合い、情報を共有し、持続可能な社会をともに築くことは、最大公約数を見出すうえで極めて賢明な選択といえる。

家とは、成長を記録し、喜びを蓄え、美しさを育む場所。人々のより良い住環境への探求が止まることはない。2025年のアジア・ファニシング・フェアは幕を閉じたが、「愛と温もりのある暮らし」を求める私たちの思いは、これからも続いていく。