「第14次五カ年計画」以降、国際収支規模は着実に拡大 人民元の国際的影響力が一段と高まる
中国の外為市場で強まるレジリエンス

国際収支の安定と

市場の強靱化

国家外貨管理局によると、「第14次五カ年計画」以降、中国の外為市場は安定した運営を維持し、強靱性を一段と高めている。

2024年の外為市場取引額は 41兆ドル(約6150兆円)、2020年比37.4%増。国際収支規模は 14兆ドル(約2,100兆円) で64%増。2021年から2025年上半期までの外国資本の純流入額は 7400億ドル(約111兆円) に達した。同局によれば、中国の国際収支はおおむね均衡を保ち、外貨準備高は 3兆2000億ドル(約480兆円)超を維持している。主な特徴は以下の3点。

1)貿易の強いレジリエンス――2021~2024年の貨物貿易は年平均 6兆ドル(約900兆円)、サービス貿易は 8,600億ドル(約129兆円)と拡大。経常黒字は適正水準を維持。

2)資本移動の活発化――2025年6月末時点で、対外資産 11兆ドル(約1650兆円)、負債 7.2兆ドル(約1080兆円)。純資産 3.8兆ドル(約570兆円)で世界3位。

3)為替市場の安定性向上――人民元の市場化改革が進み、企業の為替ヘッジ比率は17%から約30%へ、貿易決済比率も16%から約30%へ上昇。

外貨資源の効率的な配分

中国人民銀行副総裁で国家外貨管理局長の朱鶴新氏は、「外為市場には十分な取引容量があり、資源を効率的に配分できる環境が整っている」と述べた。現在、中国の外為市場は即日・先物・スワップ・オプションなどを網羅し、銀行が扱う通貨は40種類を超える。2025年6月末時点で、703の銀行と115の非銀行機関(うち296は外資系)が銀行間市場に参加している。

人民元の国際的地位もさらに向上している。国際決済銀行(BIS)が2025年9月に発表した調査によると、人民元は世界第5位の取引通貨で、取引シェアは8.5%に上昇。2022年から1.5ポイント増え、主要通貨の中で最も伸び率が高かった。国家外貨管理局は今後も市場の深化と高水準の開放を進め、実体経済を支える質の高い外為市場づくりを推進していく方針だ。

 

企業と国民に恩恵を

利便性と実効性の向上

外貨管理局経常項目管理司によると、「第14次五カ年計画」期間中は、企業や市民生活に実益をもたらす政策改善を続けてきた。2021年以降、上海や江蘇などで資金決済の自由度拡大や相殺決済範囲の拡充などを試行し、2025年9月末までに取引総額は 4.7兆ドル(約705兆円)に達した。

2024年には貿易外貨収支企業名簿の登録を簡素化し、外貨局の承認制を廃止。銀行で直接登録できるようにしたことで、企業は口座開設から決済までを一括処理できるようになった。

また、国家税務総局と連携してサービス貿易の海外送金に関する税務手続きを電子化。すでに12万社超が利用し、取引総額は 2兆ドル(約300兆円)を超えている。

外貨管理局は今後も「利便性の向上」と「リスク防止」を両立させ、貿易の安定と質の向上を支援し、企業や市民が実感できる“政策の恩恵”をさらに広げていく方針だ。